ASD長男、小学校に 七転び八起きブログ

3歳で軽度ASDと診断されたものの、外では頑張れてしまう特性の為に就学相談では通常級判定が出された長男6歳。知覚過敏、睡眠障害はかなりあります。

ヒーローの人形ではなく、棒で遊ぶ

ケンには、「赤い棒」「青い棒」と呼んでいる、その名の通り赤い棒と青い棒が2本ずつあります。どちらも雑誌の付録の水鉄砲の芯か何かだった、プラスティックの他愛もない棒です。が、ケンはこの4本をとても大切にしています。 

 この棒で遊ぶことをケンはそのまま「赤い(青い)棒で遊ぶ」と呼んでいます。しかし実際には棒遊びというよりも、ヒーローごっこです。

 

 この棒はその時のケンの設定によって仮面ライダービルドにも、エグゼイドにも、あるいはルパンレンジャーにも、たまには懐かしいトッキュウジャーや仮面ライダードライブにも、あるいはポケモンレックウザやホウオウ、アルセウスといった強いキャラにもなります。時には飛行機にもなるし、バイクにもなります。怪獣や悪者キャラにもなります。ケン自身にもなるようです。

 

 ケンはたいていこの棒を2本持って、それぞれの棒にそれぞれのキャラ設定を与えて、ごっこ遊びをします。棒たちは「マックスだいへんしん!」などとエグゼイドに変身することもあれば「しょうりのほうそくはきまった!」とビルドに変身していることもあります。

 

 基本的にヒーロー対悪役での戦いを演じているようですが、味方同士助け合ったり、相談したりもしているようです。

 

ゲッコウガ!きみにきめた!」とポケモントレーナーが登場し、ポケモンバトルをしていることもあります。

 これで遊んでいる時のケンは完全に自分の世界に入っていて、邪魔をすると怒ります。ケンの一人何役ものセリフを聞いているのは結構楽しいです。

 算数に興味のあるケンなので、なぜか登場人物たちが

「9たす3は11じゃない!12なんだ!」

「そうだったか!」

と算数について語っていることもあります。

 

 定型発達の姉もごっこ遊びをよくしていたけど、どちらかというと人形や小物を使うことを好んだかなと思います。ケンもヒーロー人形はいくつか持っているけど、こういうごっこ遊びの時は人形は使わないようです。あくまで棒を自由に頭の中で変身させて遊ぶのが楽しいようです。

 

自閉症の子は想像力が無い、って言われるけど、ケンはこういう想像力遊びが好きなんですよね…」と心理の先生に相談した時、

 

「それは、空想力です。似て非なるものです」と言われて、なんとなく納得したことがあります。相手がどう考えているか、について思いを巡らせるのが想像力で、自分の心のなかでストーリーや展開を自由にふくらませていくのは空想力、っていうことかな。

 

 ケンはこの棒2本で1日2・3回、1回10分から15分は遊んでいます。意外と短いようですが、短期集中で、ものすごく激しく遊んでいるようです。