「怖い」が極限に達した時 父親の緊急入院・手術編③ パパ、怖い
の続きです。
父親が手術することになり、私は当日朝からの病院での待機を求められました。近くに実家もない私は、ケンの幼稚園を休ませて一緒に連れていくことになりました。
電車で2時間の場所でしたが、朝早くつかなければいけない為電車やバスの乗り継ぎが悪く、悩んでいたところ友達が送ってくれることに。本当に感謝しています。
私とケンは朝一で病院につきましたが、ケンは父親の病室に入ろうともせず、カーテンの陰からそっと見ているだけでした。
やがてそこにいることも嫌がり、畳敷きの待合室に行こうと強く求めます。主人の手術前の処置が始まったこともあり、私たちはそこで待つことにしました。
畳と、いくらか漫画本、そしてテーブルがあるだけのシンプルな待合室で、テレビなどもありません。その様子は前もって知っていたので、おもちゃや雑誌などを持参していました。
父親が手術室に向かう時間になり、ケンと見送りに。車いすに乗った父親をケンは目を見張ってみているだけで声をかけようともしませんでした。
数時間後手術が終わり、執刀医の先生が話をしにきてくれました。さっきまでケンがおやつを食べていたテーブルにシートを1枚だけ敷き、摘出したばかりの主人の胆嚢を見せてくれました。私自身は血を見ても何も感じないタイプですが、ケンは「怖い、怖い」と訴え、執刀医の先生もケンに誤ってすぐその胆嚢を持っていかれました。
その後、退院まで父親とライン電話で話す機会が何度かあったものの、ケンはかたくなに「怖い」と拒みました。
また同時進行で、急に涙目になって泣き出したり、理由を聞かれても「わからない」と言うようなことが続いていました。
やがて父親が退院して帰宅。ケンは父親の前では普通にふるまっていましたが、私と二人のところでは「パパ、怖い」と。
この時は意味がよくわからなかったのですが、回復した父親が職場に復帰した朝、ケンは玄関先で大泣きしてしまいました。
「また手術になったらどうするの?」と訴えていました。
そしてその日は幼稚園に行くことも激しく拒みました。あまりにも不安定な様子だったので、その日は幼稚園もお休みしました。
続きます